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2017 研究テーマ HACK THE CHEERINGハッカソンレポート

「HACK THE CHEERING」を創造する、
30人の3週間

au未来研究所によるハッカソンが、AOLプラットフォームズのオフィスにて開催されました。テーマは、「HACK THE CHEERING」。コラボパートナーに鹿島アントラーズFCを迎え、新しい「応援」を発明します。

集まったのは、鹿島アントラーズFCのファンが入り混じる、30人。日ごろスポーツの応援について研究しているという学生や、「とにかく、鹿島アントラーズFCが大好き。全試合皆勤です」という熱心なサポーターも。女性の姿が多いのも、今回の特徴です。情報科学芸術大学院教授の小林茂さん、karakuri products代表取締役の松村礼央さんを、講師としてお迎えしました。

DAY 1(1/19)
アイデアスケッチ

威勢のよい銅鑼の音でハッカソンが開始。今回も、司会はEngadget津田啓夢さんです。まずはKDDI株式会社 後舎満のご挨拶から。au未来研究所の取り組みについて説明し、「みなさんのアイデアで、いっしょにスポーツの新しい応援のカタチを創り出しましょう!」と参加者を鼓舞しました。つづいてKDDI総合研究所からは新井田統が登壇し、サッカーとICTの事例を紹介。さらに、KDDI総合研究所チームもハッカソンに参加することが報告されました。

そして、なんと鹿島アントラーズFC クラブ・リレーションズ・オフィサー(C.R.O) 中田浩二氏からのビデオメッセージが到着。「ぜひみなさんのアイデアで、新しい応援のカタチを生み出してください! 楽しみにしています」の声に、一気に会場の空気が引き締まります。その後は鹿島アントラーズFCからいただいた、アイデアのヒントを発表。試合はもちろん、スタジアムへの移動時間も楽しむには?など、鹿島アントラーズFCならではの課題提起がありました。

講師である松村さんからフィジカルコンピューティングについて、小林さんからアイデアの出し方について学び、作業開始です。まずはふせんに「いつ」「だれ」を書き出します。その中からそれぞれ7つずつ選び出したのち、最終的に1つの組み合わせを選出していきます。印刷された鹿島アントラーズFCからのヒントとにらみ合いつつ、考えを詰めていく参加者の姿が見られました。

つぎに、決まった「いつ」「だれ」の組み合わせから、実際にアイデアスケッチを描き出していきます。ひとりひとりがスケッチを行い、グループ内で共有という作業を2回繰り返し、アイデアをブラッシュアップさせていきました。ディスカッションの中で、「いつ」「だれ」を改めるグループも。

技術基盤に使用するのは、今回も「konashi」。開発者である松村さんより説明を受け、用意されたセンサーを実際に確かめながら、アイデアを具体化する方法を模索しました。

アイデアスケッチの中から一案を選び出し、実際にはどのくらいの大きさなのか?など議論しながら、段ボールをつかって、2次元のアイデアスケッチを実際に手に取ることができる3次元に落とし込んでいくハードウェアスケッチの作業を行いました。同時に、プレゼンテーションの準備も進めます。

最後は、ハードウェアスケッチをもとに、各グループによるアイデア発表。鹿島アントラーズFCのマスコットキャラクターである、アントンくんを使ったアイデアが多くみられました。発表後は、小林さん、松村さん、Engadget日本版編集長 矢崎飛鳥さん、新井田による講評がありました。講師から出たアイデア発展に向けてのアドバイスや、ときに厳しい指摘を受け、DAY 2に向け進みます。

DAY 2(2/19)
プロトタイプ制作、発表

DAY 1からの3週間、各グループでアイデアの洗練を行ってきました。今日はアイデアをプロトタイプに落とし込み、プレゼンに挑みます。DAY 2は鹿島アントラーズFCの岡本文幸さんからのごあいさつでスタート。

その後講師としてユカイ工学代表の青木俊介さん、Wander Wonder代表の野崎錬太郎さんも"IoTちゃんマン"として参加し、プレゼンがはじまりました。

─ CHEER READER ─

シャイな人向け、ハイタッチを促すIoTウェアラブルバンド。CHEER READERをつけた状態でゴールの瞬間などにハイタッチをすると、デバイスが発光。ハイタッチ数に応じポイントが付与されます。スタジアムでは、ハイタッチの多いエリアでサイネージの色が変化。サポーターや選手からも見え、応援の熱を可視化します。

「音楽ライブでのデジタル制御されたペンライトを参考にして、さらにコンセプトを詰めてみては」と青木さん。つづいて松村さんは「デイゲームはもちろん、ナイトゲームでもスタジアムは結構明るいはず。デバイスの小さな発光では見えないかも?」と指摘。新井田からは「シャイな人がこのデバイスを使ってハイタッチするまでには、もう少し段階がありそう」とアイデアブラッシュアップのヒントが寄せられました。

─ CHEE RING ─

タオルマフラーやチケットホルダー、手首などに装着できる光るリング。スマホと連動しており、初めてスタジアムに来た方は緑色に光ります。CHEE RINGをつけた人同士でアプリを通じて友だち登録をすることで、ポイントを付与。相手が緑色ならポイントがアップします。また、応援時はタオルを振るタイミングをスマホで指示。リングを付けてタオルを振ることでもポイントゲット。ポイントは選手やスタッフに付与することができ、ポイントによってランキング化。付与ポイント上位のサポーターには、応援コメントなどの報酬が。

ポイントの使い方のアイデアに注目が集まりました。青木さんも「投げ銭スタイルはサポーターだけでなく、全体のモチベーションアップにつながる」とコメント。デバイスについては、「シンプルなので、いっそスタジアムで100円くらいの使い捨てで販売するのがよさそう」と松村さん。野崎さんは「GPSを取るのであれば、全国のスタジアムをスタンプラリーするのも楽しそう」とコメントしました。

─ 感覚球コビート ─

グローブ(手袋)とサッカーボール型のスマホホルダーからなるデバイス。アプリ「KOBEAT」を起動して利用します。自宅においてDAZN(ダゾーン:スポーツ中継ストリーミングサービス)で観戦しながらでも、スタジアム――もっと言えばピッチと同じ臨場感が得られるというもの。選手がボールをキックしたタイミングや、スタジアムやTwitterが盛り上がったタイミングで、グローブが共鳴。YouTubeでのオンデマンドでも、字幕を読み込んで共鳴します。

発光する有機ELワイヤなどあらゆる新技術が盛り込まれたプロトタイプに、「ちょっと欲張りすぎているかも(青木さん)」「まだ技術を集めて"作ってみた"段階という印象。あと、もう一歩!(新井田)」といった声が。松村さんからは「これで心が動くか?動かないなら何が足りないか?を考えてみて」野崎さんからも「VRスポーツ観戦も進むなか、臨場感についてもっと追究してみては」と、新技術がどう生活者の暮らしになじんでいくのかという大命題を突破する可能性があるアイデアだけに、今後のコンセプトの詰め方についてアドバイスがありました。

─ フレフレアントンくん ─

上下運動を検知する加速度センサーを搭載した、アントンくんぬいぐるみ型デバイス。試合中、フレフレアントンくんを振ると、振っているファンの数が集計され、アバターとなってスタジアムサイネージに表示されます。アバターの数によって、スタジアム内外の盛り上がりが一目瞭然に。位置情報をとれば、マーケティングにも応用できます。スタジアム内だけでなく、あらゆる場所にいるファンの応援が可視化されることで、ファンも、選手も、クラブチームも盛り上がります。

「非常に実現性の高いアイデア」と講師陣。だからこそ、青木さんからは「もともとお値段のするぬいぐるみにセンサーを搭載することで、商品の価格が上がってしまう」という実現を見据えた指摘が。そこで、松村さんから「ぬいぐるみにスマホのポケットをつけるだけにして、スマホアプリで計測しては?」と解決のヒントが提示されました。

─ チアふる ─

子ども向けフラッグ型のデバイス。赤い旗を振ることで視覚的にも盛り上がります。旗の柄にはLEDを搭載しており、運営側で光の制御も可能。旗を振ることでポイントが付与されます。スマホアプリと連動していて、アプリでポイントの確認やランキングを確認できるほか、スタジアムに設置された体験(リフティングコーナー/身長計測/アントラーズクイズ等)をクリアすることでポイント加点&成長記録もできます。

「サッカーだけでなく、このシステム自体でビジネスができそう」と講師陣が声をそろえていました。「敵チームにも持たせて競い合ったり、ポイントは課金制も考えられるかも」と野崎さんからはビジネス活用のヒントが。「ユーザーが意識しなくても自然に使えるIoT。次世代サイリウムという感じ」という矢崎さんの気づきに続き、松村さんからは「ビジネスとして広がりを感じるだけに、今後少子化等を考えるとターゲットは子どもにしぼらなくてよいのでは」と提案が入りました。

─ サポ2(サポサポ) ─

KDDI総合研究所チームが考えたのは、タオルマフラーやリストバンドにつけられるバッヂ大のデバイス。腕振り、拍手、タオルを振り回す動作を検知します。検知された行動は応援得点として集計、スマホアプリで可視化。スタジアム外のどこで応援が盛り上がったかなどがわかり、盛り上がるスポーツバーを見つけたりもできます。

プレゼンに対し、新井田から「議論の中では、応援のなかで拍手="称賛"も大切なのかもということになり、拍手の計測にこだわった」と補足が。松村さんは、「グッズとして買わせたいのであれば、ものとしての魅力に欠ける。サポサポの機能として使うほかに、モノとしての存在必要性がないと。欲しくなる見た目に変えたいところ」とコメント。

今回発表されたプロトタイプ6点は、3月10日、鹿島アントラーズFCでの展示が決定しました。
さらにくわしい全貌は、「プロトタイプ」のページで公開中です。ぜひ県立カシマサッカースタジアムで、このサイトで、新しい応援のアイデアをご覧ください。

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