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LIFE UPDATE

SCENE 3

御殿場市

いつでも、何度でも訪れたい街

御殿場市とKDDIが描く未来

SPECIAL INTERVIEW

GUEST
山田五郎
編集者/評論家
若林洋平
静岡県 御殿場市長
中村元
KDDI

2020年に私たちのもとへやってくる「5G」。
4Gから5Gになると、どんなことが可能になり、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。au未来研究所では、5Gによって変わる未来の暮らしの“あれこれ”について、いろいろな分野から予想していきます。

第三回は「観光地における5Gの可能性」について。御殿場市の市長・若林洋平さんと、日本の街に造詣の深い評論家の山田五郎さん、そしてKDDIの中村元が一緒に考えました。

住んでいる人が自ら街の魅力を発信することが
暮らしたい街への近道!

今回は、御殿場市の観光について、お話していきたいと思います。

山田
山田
(編集者/
評論家)

のっけから水を差すようで恐縮ですが、最近、どの街も「観光、観光」言い過ぎているような気がします(笑)。

若林
若林
(御殿場市長)

(笑)。その通りだと思います。合う街、合わない街はありますよね。

「富士山の優しい表情を見ることができる御殿場市。日本一きれいに富士山が見える場所だと思っています」と語る若林市長。世界に誇る美しい山と自然が、この街の魅力です。

山田
山田
(編集者/
評論家)

大切なのは、その街に住む人たちの幸せです。そのために本当に観光が必要かどうかを考えると、意外と必要ではない場合も多いのではないでしょうか。

若林
若林
(御殿場市長)

その街の持っているものはそれぞれ違いますからね。観光地で人を呼ぶのではなく、その街の魅力で人を呼ぶことが必要ですよね。

山田
山田
(編集者/
評論家)

その通りです。観光を住民の幸せに結びつけるためには、一時的に来訪者数を増やすのではなく、持続的に訪れてくれるリピーターを育て、やがてはその中から移住者が出て人口増につながるような形が理想的だと思います。そう考えると、観光客にとって魅力的な街とは、すなわち住んでいる人にとって魅力的な街にほかならないわけですよ。

若林
若林
(御殿場市長)

だからこそ、やっぱりここに住んでいる人が、いかに幸せであるかを実感し、発信してほしいと思っています。富士山も、世界に誇る観光地ですが、住民にとっては当たり前になっていますからね。

中村
中村
(KDDI)

5Gで実現できることのひとつに大容量の映像配信があると思います。住民が街の情報発信をしていく、それがタイムリーで、かつ臨場感に溢れるもので、その場の雰囲気が味わえるようになることも可能です。

観光地には記念撮影が付き物。身につけたセンサーに反応して自動的にシャッターが降りるカメラがあれば、自然な笑顔を切り取ってくれるかもしれません。

山田
山田
(編集者/
評論家)

人が増えるためには「仕事」が絶対に必要ですが、通信が発達すれば、本社が東京になくてもよくなりますね。

中村
中村
(KDDI)

そうですね。遠隔で仕事ができるようになれば、東京に住む必要も、通勤する必要もありませんので、住みたい場所で働くことができるようになります。

昨年行われた、御殿場市とKDDIによる5Gの実証実験について教えてください。

中村
中村
(KDDI)

5Gは、スマートフォン以外の通信機、IoTと言われるものなど、いろんなものにインターネットが接続し、繋がるようになります。昨年、御殿場市の富士山登山口にセンサーを設置し、登山に来られた方の人数をカウントさせてもらいました。

山田
山田
(編集者/
評論家)

面白いですね。

中村
中村
(KDDI)

いざという時にはセキュリティーにもつながるので、遭難防止にもなります。そういったセンサーを、いたるところに設置して、そこから情報を集めていくというのも可能です。

山田
山田
(編集者/
評論家)

その場合、個人情報保護との兼ね合いが大切ですね。

KDDIと御殿場市は、富士山における安心で快適な登山のサポートを目的に、IoTを活用した取り組みを実施しました。高精度で登下山者数の把握、遠隔でのデータ確認も可能に。

若林
若林
(御殿場市長)

防犯ということではとても大切ですが、見張られているという意識を最初に持たせないようにしたいですよね。

山田
山田
(編集者/
評論家)

以前、TV番組で取り上げたのですが、大阪府の金剛山項には毎正時に自動的に写真を撮ってホームページにアップするカメラが設置されていて、それに写りたくて登ってくる人が少なくない。個人情報も、決まった時間に自発的に提供する分には、なんら問題はないわけです。

中村
中村
(KDDI)

意識的に撮られにいくというのはすごく面白いですね。

「大切なのは、その街に住む人たちの幸せです。そのために本当に観光が必要かどうかを考えると、意外と必要ではない場合も多いのではないでしょうか」と語る山田五郎さん。

5Gによる自動運転タクシーが
お年寄りの毎日を楽しくする!

住みたいと思える街づくり、そして住民を見守る街づくりが大切ということですね。

山田
山田
(編集者/
評論家)

大都市でも地方でも、街は結局、人ですからね。今まで拡大してきた街をコンパクトに縮小する一方で、人口を減らさずできれば増やすこと。地方創生って、突き詰めるとこの2点しかないのではないでしょうか。だから観光も、移住を促進し人口を増やすための一手段として考えていくべきだと思うんですよ。

若林
若林
(御殿場市長)

いずれここに住んでくれる方のための、ショーケース的な位置付けの観光として考えないといけないですね。

山田
山田
(編集者/
評論家)

人を増やすという観点では、子育て世代にアピールできる要素を、そのショーケースに並べておきたいですよね。

若林
若林
(御殿場市長)

本当に、そうなんです。子育て支援でお母さんたちには喜んでもらって、出生率も増えてはいるんですが、大学生になるとみんな外へ出て行ってしまう。

「観光スポットで人を呼ぶのではなく、その街の魅力で人を呼ぶことが必要」と話す若林市長は、御殿場に住む幸せを、実感し、発信してほしいと語ります。

山田
山田
(編集者/
評論家)

いや、若いうちは東京へ出て行っていいんですよ。問題は、その子たちが結婚して子供ができたときに、帰ってきたいと思うかどうかです。東京は若い独身者には楽しいけれど、子育て世代には経済的にも環境的にも厳しい街。自分たちの故郷が子育てしやすい街だとなれば、大きなUターン誘因になるはずです。自然環境に恵まれた御殿場の場合、「健康」もキーワードになりますね。

中村
中村
(KDDI)

日常生活を発信するような、色々な視点から生活を切り取って配信できたら、住んでいる臨場感が伝わりそうですね。都会では体験できない暮らしや、豊かな恵みに魅力を感じて、移住したいと感じる人が増えるかもしれません。

一方で、地方の高齢化も問題になっていると思います。

山田
山田
(編集者/
評論家)

高齢者の免許証返納を促進すべきとの声もありますが、車社会の地方都市では、それは死活問題になりかねませんよね。

若林
若林
(御殿場市長)

そうですね。今御殿場市では、免許の返納を70歳以上の方に勧める代わりに、タクシーの利用を助成しています。一定の効果はあると思っていますが、それでも限界があるんですよね。やっぱり自分の意思で行きたいときにいつでも利用できるわけではないし、遠慮もあるようで、だんだん外に出る回数が減ってします。これでは生きがいから外れてしまいますよね。

山田
山田
(編集者/
評論家)

地方によっては、運転手さんが足りなくてタクシー利用さえままならない街が増えています。だからこそ、自動運転のタクシーやバスが必要だと思うんですよ。高齢者の移動以外にも、例えば 利用客の多い商業施設と駅を結ぶといった一定のルートで往復するような路線には、自動運転のバスを走らせてみてもいいのではないでしょうか。

高齢者の移動、観光客の移動にも取り入れたい自動運転のタクシーやバス。山田さんは、御殿場市には自動運転先進都市になってほしいと市長に熱く語ります。

若林
若林
(御殿場市長)

面白いですね。アウトレットのバスなんて、ちょうどいいかもしれません。

中村
中村
(KDDI)

限られたエリアで、タクシーの代わりに、そんなにスピードを出さなくてもよい簡単な道を走ってくれるというのが、利用されやすいかもしれません。

若林
若林
(御殿場市長)

病院、市役所、公民館など、5か所くらい登録されたルートを走る無人バスなど、需要がありそうな気がしますね。お年寄りが友達に会ったり、趣味を広げたり、好きな場所で息抜きして欲しい。それをできるだけサポートしたいと考えると、こんな素晴らしい技術はないと思いますね。

「健康」が街の資産に。
みんなで見守りあう社会づくり。

子育ての問題と、高齢者の問題。この辺りが重要なキーワードになりそうです。

山田
山田
(編集者/
評論家)

高齢者と子供、この2つは「健康」というキーワードで繋げられると思います。これをさらに観光に結びつけると、メディカルツーリズムによる街づくりというのも考えられるのではないかと思います。

中村
中村
(KDDI)

医療系でいうと、ご自宅でも5Gで通信できるということ、高精細な画像のやりとりができて、病院の先生と話しができて、対面しているような感覚で診察を受けることも可能です。

若林
若林
(御殿場市長)

例えば離れて暮らすおじいちゃんおばあちゃんに、ウェアラブル端末をつけてもらって、常に健康をチェックできるようになったり。おしゃれのひとつとして、みんなで使って守り合う社会になったらすてきですよね。

中村
中村
(KDDI)

そうですね。今はデバイスもたくさん出ているので、自然に見守りができていくのではないでしょうか。

「健康」というキーワードでも、ウェアラブル端末にも期待が高まります。心拍数などの健康チェックのひとつとして、可能性は広がっていきそうです。

若林
若林
(御殿場市長)

見張るのではなく、見守るということが大切ですね。静岡県は健康寿命が長いと言われているので、健康ということをテーマに試験的にやってみるのは意味がありそうです。

山田
山田
(編集者/
評論家)

水と空気がきれいで温泉もあって食べ物もおいしい御殿場市に、世界最先端の高度医療施設や、旧来の老人ホームとは違う在宅ケアを中心とした高齢者居住区などが加われば最強ですよ。「御殿場にくれば健康になる」を合言葉に、国内からも海外からも人が集まる街になってほしいです。

最後に、これからの10年、観光客や市民が増え続ける魅力的な街にしていくにあたって、お2人のお考えを聞かせてください。

若林
若林
(御殿場市長)

住んでいる人たちにとってもこの御殿場をさらに知り、発信していくというときに、5Gは重要なツールになってくると思います。怖がらずに楽しく、そして、お互いを守ることに使っていければ、地方都市でできることが増えていくでしょう。そしてその良さを、日本に限らず世界中の方に伝えていければいいですね。オープンに、日本の象徴・富士山の麓であるこの御殿場市から発信していきたいと思いました。

観光客にとって魅力的な街とは、すなわち住んでいる人にとって魅力的な街にほかなりません。住民が魅力を発信したくなる街づくりに、皆さん期待を寄せていました。

山田
山田
(編集者/
評論家)

高度成長期以来、地方都市は東京に追いつき追い越せでやってきました。でも、東京と同じ事をやっても、人は集まりません。内外の観光客を集めてリピーターへと育てたり、UターンやIターンの移住者を増やしたりするためには、東京にできないことをやらなければだめなんです。御殿場市には、東京にはない恵まれた自然環境をフルに活かし、健康をキーワードに子育て世代と高齢者が住みたくなる街を、ぜひ作っていただきたい。5Gをはじめ最新技術も積極的に導入し、具体的な利用法を示すことで、全国の地方都市のお手本になってほしいと願っています。

訪れたい街は、住みたい街。
これから必要なのはみんなに優しい街づくり、
そして魅力の発信です。


「健康」をキーワードに、
遠隔医療や見守り、自動運転など、
誰もがいつでも楽しく
自分らしくいられる街になるために、
5Gが貢献していきます。
5Gによって変わる生活は、
すぐそこまで来ています。

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山田五郎

山田五郎

Goro Yamada

編集者/評論家
1958年東京都生まれ。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、㈱講談社に入社し、『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくり、など幅広い分野で講演、執筆をはじめ、テレビやラジオ出演など活躍は多岐にわたる。著者に『知識ゼロからの西洋絵画入門』シリーズ(幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(ダイヤモンド社)、『人生を面白くする「好きになる力」』(海竜社)他多数。

若林洋平

若林洋平

Yohei Wakabayashi

静岡県 御殿場市長
1971年茨城県生まれ。埼玉大学理学部卒業後、大手製薬会社に勤務。退職後、病院の事務長等を歴任したのち2009年に静岡県内の最年少市長(当時37歳)として御殿場市長に就任。現在3期目。「真の子育て支援日本一のまち」、「人口が増え続けるまち」を目指し、高校3年生までの医療費助成や事業所等を対象とした市独自の経済対策助成事業の実施や教育現場における教員の負担軽減のため補助人員の充実等に力を入れている。また、富士山と箱根に囲まれた御殿場の立地の良さ、観光資源の豊富さなどの特徴を活かした観光施策にも積極的に取り組んでいる。

中村元

中村元

Hajime Nakamura

1990年に国際電信電話株式会社(現、KDDI株式会社)に入社。通信ネットワークの設計やトラヒックの制御、新世代モバイルの研究開発に従事するとともに、4Gの標準化活動にて議長職を歴任。2011年より商品統括本部LTE端末開発室長として、au 4G LTEの立上げで初期ラインナップ端末12機種の通信機能の開発を担当。その後、技術戦略部長、上席社長補佐を経て、2016年4月よりKDDI総合研究所副所長に就任。技術企画本部副本部長を兼務し、KDDIグループの研究・技術開発を進めている。

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