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LIFE UPDATE

SCENE 2

前小

世界が広がる教室

前原小学校とKDDIが描く未来

SPECIAL INTERVIEW

黒澤葉子
KDDI
松田孝
前原小学校
GUEST
水口哲也
メディアデザイナー

2020年、私たちの元へやってくる新しい通信システム「5G」。
速く、たくさんつながる5Gは、生活の様々な場面で不可能を可能にしてくれます。
もっと便利に、もっと楽しく。
au未来研究所では、5Gによって楽しくなるくらしの“あれこれ”について、いろいろな分野から予想していこうと思います。

第二回は「5Gが実現する、未来の小学校」について。小学校1年生からプログラミング授業を実施している前原小学校の松田孝校長先生と、メディアアートの第一人者として世界で活躍する水口哲也さん、そしてKDDIの黒澤葉子が一緒に考えてみました。

今の教育システムはもう古い!?

前原小学校では、全学年の生徒がプログラミングの授業を受けているそうですね。これはいつから実施されているのですか?

松田
松田
(前原小学校)

私が前原小学校に着任した2016年の4月からですが、端末が全校生徒分揃ったのは10月頃なので、実質1年ですね。

水口
水口
(メディア
デザイナー)

全員分の端末があるんですね、すごい。1年やってきてみて、いかがですか?子供たちよりは、教える先生たちの方が大変そうですが……。

松田
松田
(前原小学校)

その通りです(笑)。子供たちは柔軟に吸収していきます。楽しんで、自由に触ったり動かしたり。それよりも、教師や保護者が戸惑っていますね(笑)。学校で新しいことに挑戦する時に必ず起こる問題ですが、私は子供たちがプログラミングを活用し、それぞれの個性を生かして表現する楽しさを育てたいと思っているんです。そのために学校中にwi-fiを飛ばし、Apple TVを取り入れ、プログラミングの授業を始めたんです。これから数年後にデジタルが当たり前になる社会で、子供たちがいかに主体性を持って生きていけるか。未来を生きる子供たちのためにも、責任ある教育をしようと伝えているつもりなのですが……。大人の意識改革って、なかなか難しいですね(笑)。

「生徒たちの喜ぶ姿を見るのが1番嬉しいです」と松田校長。普段、プログラミングの授業で使っている端末を次々見せてくれました。

小学1年生の授業で扱うLチカのプログラミング。まだプログラミング言語は入力できませんが、学年に応じて難易度を考慮し、無理なく楽しめるように工夫が施されていました。

水口
水口
(メディア
デザイナー)

世界的に見てもとても素晴らしい取り組みだと思います。これからプログラミング言語は、アートや音楽、数学、文字、コミュニケーションなど、あらゆることの真ん中に入ってくると思います。これまでバラバラに学んできたことを統合して表現できるようになるので、子供たちも楽しんで学び、それを応用するようになるのではないでしょうか。

黒板は、世界とつながる窓になる

プログラミング授業を行う中で、「もっとこうなったらいいなぁ」と感じていることはありますか?

松田
松田
(前原小学校)

現在、生徒は一人につきひとつの端末を持っているのですが、全員が端末を使って映像を見ようとすると、止まってしまうんです。それがスムーズに見ることができたらうれしいですね。いま、そこにかなりのストレスを感じていて、「つながれ、つながれ」と祈りながら授業をしているので……(笑)。

黒澤
黒澤
(KDDI)

通信速度で情報が制限されてしまうのは、すごく悲しい状態ですね……。5Gになれば、大容量のデータが素早く転送できるようになりますし、多接続が可能になるので、多くの生徒が一度に映像を見ても止まることはないので、安心してください。

前原小学校では、1人につき1台、端末が用意されています。小学校でこの光景が見られるのはなかなか珍しいことではないでしょうか。

水口
水口
(メディア
デザイナー)

5Gになって、高解像度の映像の送受信がスムーズにできるようになったら、窓や黒板を8Kが映るディスプレイにして世界中の人とつながりたいですね。この教室には来れない離れたところにいる子供でも、遠隔で授業を受けられるようになるし、外国にいる有名人が日本の小学生に向かってメッセージを伝えて、それを自動的に翻訳してくれたりするかもしれない。そんな教室になったら、世界をもっと身近に感じられますよね。リッチな学びだと思いますよ。あぁ、これからの子供たちが羨ましいなぁ。

黒澤
黒澤
(KDDI)

どこにいても、高解像度の映像と、リアルな音でタイムラグなく情報が届き、遠くにいる人もここにいるように感じられる教室、いいですね。自分の学びたいことを深く学ぶことができそうですし、子供たちの個性がグンと伸びそうです。

「多接続と通信速度の高速化が求められますね。 未来の学校教育には5Gが必要不可欠です」と KDDI黒澤。

松田
松田
(前原小学校)

それこそまさに、私が目指す教育のひとつです。5Gはいつ実用化するんですか?

黒澤
黒澤
(KDDI)

2020年を目指して頑張っています。

水口
水口
(メディア
デザイナー)

5Gの実用化と共に、8Kが見える黒板の開発も必要になってきますね。

松田
松田
(前原小学校)

開発の途中で実験が必要であれば、ぜひ前原小学校を使ってください(笑)。

教室が時間と空間を超える!?

5Gを使って可能になる授業、ほかにはどんな可能性があると思いますか?

水口
水口
(メディア
デザイナー)

すぐにでも実現できそうなのは、英語の授業じゃないでしょうか。日本人は英語の文法は理解できるのに、話せないし発音もイマイチ。それって言語を音ではなく文字として捉えているからだと思うんです。世界とタイムラグなくつながれば、ネイティブの発音を聞いたり、口の動きを大きい画面で見たり、本物の英語に触れて会話するチャンスが増えますよね。そういう授業が当たり前になって、みんなが英語を話す未来はくると思いますよ。もしくは、リアルタイムで翻訳してくれる機能が発達して、全く話せなくても会話ができるようになるか(笑)。

松田
松田
(前原小学校)

その未来もありそうですね。

黒澤
黒澤
(KDDI)

私が見てみたいのは、昔の時代の建物やお城ですね。未来の教室は、黒板すらなくなって、教室の壁や空間すべてがモニターになっているかもしれない。そうしたら、教室全体でものの大きさや質感を体感できるようになり、理解が深まる気がします。

5Gがあれば、どこへでもひとっ飛び。教室にいながら、外国の方とリアルタイムで交流ができます。まるで海外旅行をしている気分になれそうです。

教室にいながら、歴史上の人物や絶滅動物など、会えないはずの人やものを見ることができます。恐竜にだって会えるかもしれません。

水口
水口
(メディア
デザイナー)

触覚も感じられるようになったら、よりリアルに感じられますね。あと温度とか。

黒澤
黒澤
(KDDI)

リアルに感じるためには映像と音だけではなく、その他たくさんの情報が必要です。それらの送受信が5Gによって可能になれば、どこにいても人を近くに感じることができるし、どこにいても学び、働くことができるようになりますね。

松田
松田
(前原小学校)

5Gが時間と空間を超える手伝いをしてくれたら、僻地や離島に住む子供たちが喜びそうです。最先端のものを取り入れることで地域の活性化にもつながると思いますし、そういう場所にこそ、いち早く5Gが繋がるように整備してほしいですね。あ、もちろんうちの学校もよろしくお願いします(笑)。

プログラミングを学び、5Gが導入される前原小学校が目指すところはどんなことですか?

松田
松田
(前原小学校)

私はずっと「勉強」という言葉をなくしたいと思っているんです。必要なのは、勉強ではなく「学び」。これからの先生は教える仕事ではなくなると思いますよ。ひとりひとりの学びを認めて、褒めること。子供たちにとっての信頼できる他者として、応援し、共に楽しい社会を作っていく人間であるべきだと感じています。

水口
水口
(メディア
デザイナー)

アメリカでも、いま「Education」と言わず「Learning」と言いますよね。やはり今までのような受け身の授業は終わりになってほしいです。私も大学で教えていますが、やはり生徒が持っている興味をピックアップして、それに気付かせてあげて、火をつけてあげることの大切さを実感しています。そういう意味でも、小学生の時に学ぶプログラミングは、子供たちが能動的に学ぶための装置として重要な役割を担っている気がします。

「学校という制約がたくさんある中で、果敢に挑戦されている松田校長は本当に素晴らしいですね。早くプログラミングを勉強した子供達の未来を見てみたいです」と水口さん。

黒澤
黒澤
(KDDI)

本当ですね。その学びに、5Gが役に立てることがたくさんある気がしました。

テクノロジーの分野から、水口さんが未来の教育に期待することはありますか?

水口
水口
(メディア
デザイナー)

子供の頃、よく「人の気持ちになって考えなさい」と言われませんでしたか?僕はよく言われたんですが、これって難しいんですよ。人間はある時から「別の視点でものを見る」ということができるようになって、やっと人の気持ちを考えられるようになると思うんです。メディアアートは、いろんな視点で見たり、新しい考え方を育てるという側面もあると思っているので、ひとつの物事をいろんな方面から見たり考えたりする子供が増えていったらいいですね。そうしたら、たくさんの人が他人の気持ちになって考えられる優しい未来になると思います。

松田
松田
(前原小学校)

私も、今の子供たちがどんな大人になるかとても楽しみなんです。プログラミングや5Gによる学びの場で育った子供たちが、どんな風に成長して、どんな日本を作っていくのか。彼らが今、楽しんで学ぶ姿や、キラキラした目でものを動かしているのを見ると、期待は大きくなるばかりです。

松田校長のお話に興味津々の2人。子供だけでなく、大人も楽しめるプログラミングの授業。「生徒だけでなく、先生たちも面白がってやってくれています」と語る松田校長。

黒澤
黒澤
(KDDI)

学びたいという気持ちにすぐ応える、そんな新しい学びの体験を5Gの力で引っ張っていきたいと思います。はやく子供たちに使っていただいて、感動してもらいたいですね。

速く、たくさんつながる5Gが
小学校にやってくる。
教室のすべてがインターネットと高速でつながると、
今までできなかった体験をしながら、
より深く学ぶことができそうです。

恐竜の生態を知りたい、
地球の裏側の今を知りたい、
宇宙から地球を見たい。
そんな子供たちひとりひとりの
「学びたい」「知りたい」気持ちに、
同時にたくさんの接続が可能な5Gがこたえます。

新しくて、もっと楽しい学びの体験を
すべての子供たちへ。
5Gによって変わる生活は、
すぐそこまで来ています。

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黒澤葉子

黒澤葉子

Yoko Kurosawa

1997年 国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社)に入社。
国際伝送運用部門、海底ケーブルシステムの開発部門を経て、2003年より、移動体システムの国際技術標準化に従事。
2011年より4G LTEの商用開発や技術開発を担当、2017年より次世代ネットワーク開発部グループリーダとして、5Gシステムの実証実験やシステム開発を行っている。

松田孝

松田孝

Takashi Matsuda

東京学芸大学教育学部卒、上越教育大学大学院修士課程修了、東京都公立小学校教諭、指導主事、2校の公立小学校校長、主任指導主事(指導室長)を経て、2016年4月から小金井市立前原小学校校長。2016年度、総務省「プログラミング教育事業推進会議」委員、「地域IoT実装推進タスクフォース人材・リテラシー分科会」委員を務める。
「子どもたちは、毎日ランドセルを背負って過去にタイムスリップしている」「従来授業はクソゲーだ!」という相当の危機意識をもって、情報端末の積極的活用で、100年以上変わらない初等公教育のリデザインを実践する。
前原小は2017年度、総務省の「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証」、「5G総合実証」、「次世代学校ICT環境実証」協力校。

水口哲也

水口哲也

Tetsuya Mizuguchi

メディアデザイナー / レゾネア代表 / 米国法人enhance games, CEO
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(Keio Media Design)特任教授。
ビデオゲーム、音楽、映像、アプリケーション設計など、共感覚的アプローチで創作活動を続けている。ゲームの代表作として,『セガラリー』(1994),『スペースチャンネル5』(1999),『Rez』(2001),『ルミネス』(2004),『Child of Eden』(2010) など.また音楽ユニット・元気ロケッツ(Genki Rockets)のプロデュースや,Live Earth(2007)東京会場のホログラム映像によるオープニング演出なども手掛けている. 2002年文化庁メディア芸術祭特別賞、Ars Electoronicaインタラクティブアート部門栄誉賞などを受賞(以上Rez)。2006年には全米プロデューサー協会(PGA)とHollywood Reporter誌が合同で選ぶ「Digital 50」(世界のデジタル・イノベイター50人)の1人に選出される。2007年文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査主査、2009年日本賞審査員、2010年芸術選奨選考審査員などを歴任。

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